マイウェン監督は、リュック・ベッソンの奥さんだった人らしいですね。彼がミラ・ジョボビッチと結婚する前の。16歳で彼の子を産んだらしいです・・・・・。
この映画、よかったんですよ。おもしろかった!とんでもなく魅力的でダメな男(レストランを経営?)と弁護士の女が、一気に盛り上がって、妊娠して、結婚して、耐えられなくなって、いろいろあって・・・・・出会いから結婚生活の10年間の物語。
この男が、結婚しても子供がうまれても、まったく自分を変えない。で、妊娠中から不穏な問題がつぎつぎに持ち上がってくるんですよ。
結局、彼はずっと彼だったんだなと最後のシーンで思った・・・・・。家庭を持ったからって変わらない。おれの自由が大事な男。「楽しいところだけ共有したい」と言う男。女の機嫌がわるいときはかかわりたくない男。
このあたりまでは、男の人ってだいたいベースはそう思ってるんじゃないかね?と思う。いるよね?こういう男の人。
しかし、この男ジョルジオは、むかしの女の世話をやめない。ほかの女と朝を迎えて記憶がないとか言う・・・・・。父親になる重圧に耐えられなくてクスリやってる。機嫌のわるい妻(←彼の言動が原因)に耐えられなくて、べつの家を用意して逃げる。家族よりもやんちゃな仲間とつるんでいたい。
それもこれもみんな、おれの子供を産んでくれと言ったのはあんたなんだよ!と、つっこみたい話・・・・・。
でも、そのお姿がヴァンサン・カッセルとくるから、もうしかたないというか魅力的なわけです。魔的な魅力を持っているわけ。(奥さんのトニーは顔はきれいなんだけど洒落っ気なし、ちょっともっさり・・・・・)
どうでしょうね、あんな男の人に出会ったら。めちゃくちゃおもしろいけど、おなじくらいダメなこともやってくるのって。
おなかは大きくなっていくのに精神的に病んでいく妻トニー。検診についてきたジョルジオが「これってマタニティブルーですかね?」と医者に質問すると、マタニティブルーは産後になりますからちがいますと答えられ、「後にもあるんですか?!」と驚くジョルジオ・・・・・。(で、ひとりで暮らす家をみつけてきて出ていく!)
「赤ちゃんによくないと思うんだ、だから出ていくよ」・・・・・赤ちゃんがうまれたときには感動して喜ぶんですけどね、もう独自の自分セオリー炸裂が満載で、笑えてくるから暗くならない。
マイウェン監督(右) |
ありえない発言を平然とするような男の人って、腹を立てつつも、どういう思考の構造でそうなっているのか興味が湧いてしまうことがわたしはあるんですけども、でもこんな爆弾キャラ相手だったら心臓がいくつあっても足らない・・・・・。盛り上がりに欠けてても、ふつうにおだやかーなのがいいですね・・・・・。
妻トニーを演じるエマニュエル・ベルコは、大笑いしたり叫んだり暴れたり泣いたり破壊したり、裸も晒して体当たり演技。カンヌで女優賞を受賞されたみたいですよ。ふたりのエネルギッシュな演技がいい。暗くないのがいい。最後までちっとも飽きるところなく、はげしいふたりの行方にのめりこんでおりました・・・・・。
いいこともわるいこともジェットコースター級のふたりなんだけど、トニーが「わたしは平らがいい」と離婚を切り出すと「心電図で平らは死亡だ」と言うジョルジオ・・・・・。
「表情がやわらかくなったな。幸せなのか?」と聞くジョルジオに「前のわたしに戻ったの。あなたに出会う前の」と答えるトニー。
セリフもいろいろおもしろかったけど、「おれがおれだったから惹かれたんだろ?」がいちばんこの作品を象徴しているように思えますね・・・・・。彼はずっと、なにがあってもずっと彼なんだろうなー。そういう男の話でございました・・・・・。
モン・ロワって、わたしの王様という意味らしいですね。ちょうど日本で不倫報道された俳優W氏とジョルジオを重ねて観てしまってたんですけど、このお方、王様役で舞台やっておられましたね・・・・・。
それから、クリステル・サンルイ・オーギュスタン(90年代のスーパーモデル)が、ジョルジオのむかしの女アニエス役でご出演されていたんですよ!髪型がむかしと変わっていなかった!
いやあ、ヴァンサン・カッセルうまいですね。スタイル(体格)いいし、グレーのカールした髪も素敵だし、ダイナミックだし、スケールでかそうだし、色気あるし・・・・・♡この人の隣にはやっぱりモニカ・ベルッチのような美女がお似合いですわ。
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