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2016年7月26日火曜日

In The Park...




■公園でのこと

もう夏休みなんですね。

先日公園を歩いているときに、ちょっと思いもしないできごとがありました。そこは大きな公園で、ときどき散策する場所なんですが、自然が多くて色彩の観察にいいんです。園内にいろんな道があり、まだ行ったことのないエリアを行ってみようと歩いていました。

小さな丘のうえに藤棚のようなものが下から見えて、行ってみることにしました。丘を登っていると、うえのほうからワーワーと人の声のようなものが聴こえて、広場になっていてゲートボールでもしてるのかな?と思いながら丘のうえに着くと、そこは広場で、2人の男の人がいた。

よく見ると、杖をついた小さいおじいさんが、色黒のオッサン(そんなかんじだったのですが以下男性と呼びます)にケンカを売られているのか、迫られていて、あとずさりしていました。おじいさんの行く手を男性が阻んでくるからか、おなじところを杖をつきながらクルクルまわっているように見えた。一瞬で、「えらいとこに来てしまった」と思いました。

引き返そうというのと同時に、ここでわたしが行ってしまったら、このあとおじいさんは刺されるかもしれない。こんなところまでだれも上がってこないだろうし、そしたらおじいさんは・・・

去ってはいけない。仲裁にも入れない。2人の関係といきさつがわからない。様子をみようと、広場の隅のほうで背を向けて、「居る」ことにしました。

通りがかりの第三者がそこにいれば、やめるんじゃないか。もしものときは助けを呼びに行こうと。

わたしは植物の色彩や造形の観察に来ているので、しばらくすると、背を向けたままその場にしゃがんで、そこにあった木の根元をアイフォンで撮影することに次第に気が集中していきました。ベストな角度を探っていたそのとき。なにかを感じて振り返って見上げると・・・男性が背後に立っていた。

凍りついた。

腕組みして、片足を木の幹のデコボコしてちょっと足をかけられそうになっているところに上げ(港で男の人が海を見渡すときのようなアレです)、こちらをにらんでいた。

ゆっくり立ち上がり、男性を見ないようにしてソロソロと(刺激を与えないように)広場を出ました。丘を下り始めると、ちょっと進んだくらいでは、人の姿はないんですね。うしろから、男性が追ってきているかもしれない。振り返ってはいけないと思った。逃げているのに走れなかった。

なんとか下の世界に逃げてきて、よろよろと歩いていると、遠くにあの杖のおじいさんが立っていて、こちらを見ていました。広場にはいくつかの出入口があったので、おじいさんはわたしとは反対側から丘を下りてきたんだと思います。

わたしもおじいさんに向かって、「あの人なんなんですか?知り合いですか?なんであんなことに・・・?」など心の声を送りながら、遠くのまましばらく向かい合っていました。お互いの無事を確認し合い、おじいさんは去っていきました。


この話には、男性に再び遭遇するというおそろしいつづきがあるのですが、今こうして元気ですし長くなるので、しません。

一見平和な場所でも、どんなところにも「死角」ってあるんだと間近に感じたできごとでした。冒険心も、ちょっとのことで危なくなりかねないですね。


それにしても、おじいさんはいつのまに逃げたんだろう。思い出してみると、わたしの背中に男性の目が向けられていたあいだに逃げるのが、いちばん容易いように思える。

なにも知らされないまま「オトリ」になっていたとは・・・合意なく崖のうえで「ポン!」っと背中を押されたかんじ。そんなスリリングな筋書き、望んでいなかったけど。まぁよかった、ということにしましょう。





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